それは、突然の雨だった。

大学からの帰り道、強まる雨足にたまらず走り出す。

こんなことになったのはきっと、いつもとは違う道を通って帰ろうなんて気まぐれを起こしたせい。

そうでなければ、雨に濡れて全力疾走することもなく、今頃無事に家に帰り着いていたはずだ。


『今日のお天気は快晴。気持ちよく晴れ渡った青空が広がり、絶好の洗濯日和となるでしょう』


そもそも、気まぐれを起こすきっかけになったのは、今朝のお天気お姉さんの予報。

けれどそれはものの見事に外れ、天気予報などあてにはならないのだと思い知った。


「雨だって知っていたら、ロッカーの置き傘持ってきたのに……」


眼鏡が濡れて視界がぼやける中、ひとまず雨宿りできそうな屋根を求めてひたすら走る。

運動はあまり得意ではない上に、眼鏡が濡れているせいで前がよく見えず、足元がおぼつかない。