異世界勇者の英雄記-エクスティア-
「何処だ、ここは!」
見渡す限りに木が並んでいる。
それだけで、森にいることだけは分かるが、何故ここにいるのかがわからない。
「さっきまで、渋谷にいたよな?」
一回、記憶を整理してみよう。
俺の名前は黒羽 絢斗  空美高校在学の18歳だ。
今日は、携帯を新機種変えるために渋谷の携帯ショップに来て、帰ろうとして駅に向かったんだよな。
「それがなんでここにいるんだ?」
何か大事なことを忘れているような気がする。
-ポキッ-
んっ、後ろで音がしたような気がする。
「なんだ?」
とっ、振り替えったら、そこには見たことのない動物がいた。
「なんだ!、こいつは?」
見た目は狼のようだが、少し違う。
まず色だ。全身が紫いろの毛で覆われていて、大きくて鋭そうな爪。何より特徴的なのが尻尾が2本あることだ。
そして、こいつは俺の方を見て鋭い牙を見せながら唸っている。
『ヤバイ、逃げなきゃマズイ』
俺の本能がそう言ってるように聞こえて、そして駆け出していた。
後ろからは、案の定さっきの動物が~アゥ~と唸りながら追ってきている。
『このままじゃ、追い付かれる!』
っと思った矢先、木の根に躓いて転んでしまった。
『しまった』と思ったときには既に遅く、すぐ目の前まで動物が迫っていた。
俺は、右手の下に折れた枝があるのに気づきそれを握ると同時に動物が鋭い牙で噛みつこうと飛びかかってきた。
俺はとっさに握っている枝を横殴りの形で振り、動物の頭に当り横に吹っ飛んだ。
動物が起き上がる前に、俺は体制を立て直し、両手で枝を構えた。
「逃げられそうに無いなら、戦うしかないじゃ
ないか!」
と、剣道をやっていて良かったと産まれて初めて思った。
あいつとの距離は3mくらいで向こうも警戒してるか。さて、どうするかな?
決心はしたものの弱気な自分がいることに頬が少し上がった。
-ワォーン-といきなり動物が吠えた。ってゆうか、これ遠吠えじゃねぇ。
今の状態でも勝ち目が無いのに仲間を呼ばれるとマズイ。
-ざわざわ-と辺りから音が聞こえ始めた。
『もうダメだな、もう少し遊んで彼女も作りたかったな』と後悔した。
-バーン-っと大きな音が近くでなった。
すると、木に止まっていたであろう鳥たちが一斉に飛び始めた。そして、目の前の動物も逃げるように森の奥に消えてった。
「助かった~」と足の力が抜けてその場に座り込んだ。
「大丈夫ですか」と後ろから声が聞こえ、後ろを見ると桃色髪が肩らへんまで伸びている女性が走り寄ってきた。
年齢はそんなに変わらなそうだが、その手には銃が握られていた。
『さっきの、音は銃声立ったのか。』と分かると、急に視界が暗闇に包まれた。
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