元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
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「あ!そっちにボール行ったよ〜!」
「あははっ!美香ちゃんナイスキャッチ!」
「もぉ〜、成ちゃんノーコンっ!」
「ごめんごめん!」
聞こえてくるのは、同級生達の楽しそうな声。
どうやら数人で遊んでるようだ。
私はというと…
ブチッ
ブチブチッ
一人で、花冠をつくっている、友達のいない子だった。
「……桜ちゃん、お花で遊ぶのもいいけど、皆と遊んだらどうかしら?」
【菊間小学校 2年1組担任】
と書かれたネームプレートをぶら下げている、担任の山科 榛名(ヤマナシ ハルナ)先生が私に声をかける。
私にとったら、そんなの良い迷惑だ。
「いいんです。私はこれが好きなので。」
「で、でも…」
…先生も、困った子供だ、と思っているだろう。
大人から見た私は、愛想もクソもない、生意気な小学生らしいから。