元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー



***



「あ!そっちにボール行ったよ〜!」


「あははっ!美香ちゃんナイスキャッチ!」


「もぉ〜、成ちゃんノーコンっ!」


「ごめんごめん!」




聞こえてくるのは、同級生達の楽しそうな声。

どうやら数人で遊んでるようだ。


私はというと…



ブチッ


ブチブチッ




一人で、花冠をつくっている、友達のいない子だった。




「……桜ちゃん、お花で遊ぶのもいいけど、皆と遊んだらどうかしら?」



【菊間小学校 2年1組担任】
と書かれたネームプレートをぶら下げている、担任の山科 榛名(ヤマナシ ハルナ)先生が私に声をかける。


私にとったら、そんなの良い迷惑だ。



「いいんです。私はこれが好きなので。」


「で、でも…」



…先生も、困った子供だ、と思っているだろう。

大人から見た私は、愛想もクソもない、生意気な小学生らしいから。



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