クローバー的恋事情
身勝手な恋
後日改めて来ると言った藤沢さんは週末にやって来た。


「ありがとうございました」


借りたワイシャツとネクタイに、お礼のケーキを添えて、返した。その後、何かあるのかと身構えたけど、すぐに帰っていった。


「後日来ると言ったのは、これを返すためだったのか?紛らわしい言い方するヤツだな」

お兄ちゃんもあっけに取られていた。

それから、特に代わり映えのしない日が2週間過ぎた。


♪~♪~♪


「はい、営業部販売課、萱森です」


「受付の里中です」


友香からだ。友香だと分かるとつい嬉しくなってしまうが、きっと来客を知らせる電話だ。来客があると受付から連絡が来る。アポイントメントを取っているか確認するためである。

「お疲れさまです」


「フードライフコジマの小島社長が藤沢さんに来られています。お通ししてよろしいですか?」


「少々お待ちください」


ホワイトボードに書かれている藤沢さんのスケジュールを見る。
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