好きになっちゃダメなのに。

♯ 2 あふれる気持ち


♯2


翌日。

午前最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴ったと同時に、私は掲示板へと向かうべく方向転換した。


まだ選挙結果は貼り出されていないだろうけど、できるだけ早く結果が知りたいもん。

絶対、掲示板の前はこの前の中間結果のときみたいに人だかりになってしまうだろうから、一刻も早く場所取りしなくちゃ。

だから、昼休みが始まったらすぐに掲示板までダッシュする。


……そう決めていたのに。


「晴山!」

「っ!?」


ダッシュしかけていた私は、しかし突然叫ばれるように名前を呼ばれ、驚いて足を止めた。

呼ばれた声のほうに視線を向ければ、そこにいたのはさっきまで授業をしていた、世界史の高橋先生。


えっ、なんだろう。

私、今日はちゃんと授業受けてたと思うんだけど!

結果が気になって時々上の空になっちゃってたかもしれないけど、でも記憶が飛んだりもしてないし、そもそも先生に注意されてもいないし!


どうして私、呼ばれたの?


「な、なんですか?」

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