俺様上司とツンデレ部下

結婚式



リーンゴーン。

鐘のなる音。

あぁ、なんて心地いい音なんだろうか。


そんなことを思いながら、私は今日、結婚式を迎えた。


「恵。」


鐘の音とは対象的に、低く響いた低音ボイス。

けれど、その音は私の胸を高鳴らせる。

愛しくてたまらない音。

「伸也さん。」

その声に応えて、私は笑顔を向ける。

プロポーズは、本当にびっくりしたけど、今はすごく幸せ。


ーーーーー…。


「恵。俺と結婚してください。」

今年のクリスマス。

雰囲気のいいレストランでそう言われた私。

ピンク色のダイヤが付けられた指輪を目の前に向けられて、涙をこぼして頷いた。

それはもう幸せで、最高の瞬間だったと思う。

伸也さんが私と結婚してくれるなんて、思っても見なかった。

まぁ、そうなったらいいなとは思ってたんだけど…。

けど、それは夢の話。

現実になるなんて思っても見なかった。



そして、今。

その夢が実現しようとしている。

純白のウェディングドレスに身を包み、私は彼の元へゆっくりと歩く。

お父さんもお母さんも涙ぐんでるなぁってちょっと感動しちゃう。

結婚ってこんなに幸せなものなんだね。
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