龍馬さんから解放されると、私は彼の隣に腰を下ろしました。

でも、右手だけはまだ龍馬さんの手に捕まっています。

どうしてかと尋ねたら、逃げないためにと悪戯めいた顔をしながら言われました。

「今から話すのは普通では信じられないような話です。それでも聞きますか?」

「ああ、聞くよ」

「分かりました。じゃあ、まず、私はこの時代の人間ではありません。今から約150年後の未来から来ました」

開始早々、龍馬さんが大きく目を見開きました。

「未来から?えっと、どうして?」

「角屋で初めて龍馬さんとお会いしたときに言いましたよね。私はある人に頼まれてこの町に来たと。

そのある人がこの時代にいる人なんです」

「でも、蒼蝶は150年後の未来から来たんだろ?この時代の奴が、どうやっておまえに頼んだんだ?まさか、生きてる訳ないよな」

「ええ、そうです。人間が150年も生きられる筈がありません。その人はもうすでに死んでいます」

「じゃあ……」

龍馬さんは薄々気付いているようです。

でも、まだ否定する気持ちがあるようで、戸惑った表情をしていました。

「その人は幽霊なんです。私は幽霊が見えました」

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