「ツカサ……」
「何」
「私たち、一緒にいて何を話してたかな?」
「は?」
 入学式の準備を終えた今、俺は翠に何を尋ねられているのだろう。
 翠に話しかけたのは自分。体調に関するやりとりを二、三したあと、何をどうしたらこんな話に飛躍するのか……。
「ううん、ただ訊いてみただけ」
「あっそ……」
 翠の思考は相変わらず読めない。そう思った次の瞬間、
「もうひとつ訊いてもいい?」
 まだ何か質問事項があるらしい。少しの心構えをして臨んだものの、
「私たち、付き合っているの?」
 少しでは全く足りなかった。
 翠のきょとんとした目が俺を見上げる。俺は言葉を返すこともできず、まじまじと翠を見下ろしていた。俺の視線に何を感じ取ったのか、
「そうだよね。私もサザナミくんや嵐子先輩に訊かれてびっくりしちゃった」
 翠はひとり自己完結させる。

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じれじれ  学園恋愛  友情  純愛  男目線  成長  すれ違い 

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