光のもとでⅡ
 教室を出てテラスへ向かう。と、テラスの先には翠と男子生徒がいた。
 そのうちのひとりはよく見知った人間。後輩の飛翔だ。
 翠は飛翔を苦手としている。そして飛翔も翠にはいい印象を持っていなかったはず。いったい何を――。
 飛翔が翠の腕を引き、自分の後ろへと追いやる。直後、飛翔と視線が交わった。
「今の、必要最低限の救助活動なんで」
 飛翔の言葉に状況を察する。
 即ち、翠がもうひとりの男に声をかけられて困っていたか何かだろう。
「救助活動ついでにその男を連れて立ち去ってくれないか?」
「引き受けます」
「え? え? えーーー!? 何? 俺、まだセンパイと話したいよっ」
 やっぱり……。
 冷たい視線をくれてやると、
「司先輩に睨まれていいなら置いていく」
「えっ!? やっ、何っ!? そういうことなの!? ちょっ、飛翔待ってよっっっ」
 引き受けると言った割に、飛翔はその男を置き去りにする勢いでその場を去った。
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