ルージュのキスは恋の始まり
 カツカツと音をさせて歩きたい気分だ。

 人の唇を勝手に奪うなんて許せない。

 それに異動ですって?

 ふざけないでよ!

 もうあんな俺様で無神経なセクハラ男、2度と会いたくない。

 でも、この時の私は気づいていなかった。

 龍神社長にムカついていたせいで、私の身体の震えはいつの間にか止まっていたことに。
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