「お帰りなさい、美優先輩。社長どうでした?噂通りのイケメンでした?」

 亜紀ちゃんがニコニコ笑いながら聞いてくるが、私の心中は荒れまくっていた。

「イケメンかもしれないけど、俺様で鬼畜で最低よ」

 自席に座って、資料をバンと置く。

「橘先輩、何かあったんですか?」

 井上君が心配して声をかけてくれるが、説明出来る精神状態じゃない。

「美優先輩、眉間にシワって、あれ・・口紅やっぱり塗り直したんですか?先輩自身が塗るなんて珍しい」

 亜紀ちゃんに指摘されて、ハッと気づく。

 机の上の鏡で自分の唇を見ると、深紅のルージュが男を誘うようにみずみずしく潤っている。

 あの最低男とキスした証拠。

 ああ、開発した自分が言うのもなんだけど、キスしてもこんなに艶っぽいのが忌々しい。

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