裏腹な彼との恋愛設計図
そんな柊さんの写真を見付け絵梨子さんに見せると、うっとりするようなため息をつく。


「容姿は本当にイイ男よねぇ。私もあと五歳若ければアタックしてたかも」

「絵梨子さんに迫られて拒む男の人なんていないんだろうなぁ」

「そんなことないけど……あぁでも彼はダメね。私がSだからたぶん合わないわ。彼には紗羽ちゃんみたいなドMちゃんがお似合いよ、きっと」


紅いグロスがよく似合う唇の端をニッと持ち上げる彼女に、私は苦笑い。

絵梨子さんの中でも私はドMって認識されてるのですね……いったい何故……。


絵梨子さんは、ランチに限らずアフターファイブもこうやってよく食事に誘ってくれる。

気さくで頼もしくて、美人なのにそれをひけらかさなくて。

そんな彼女のことが、私はすでに大好きだ。


「どうなの紗羽ちゃんは? 隼人くん、タイプだったりしないの?」


興味深そうな上目遣いをする絵梨子さんに聞かれ、私はミモザをちびちびと飲みながら考えを巡らす。


「うーん、ドSな人は好きなんですけど」

「ほんと正直ね、紗羽ちゃん」

「けど。柊さんくらい美形だと毎日ドギマギしちゃって、きっと落ち着いてられないです。それに……」

「それに?」

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