裏腹な彼との恋愛設計図
「あの! 柊さんは?」

「俺はこれから住宅ローンの手続きで銀行に行ってくる」

「手伝ってくれないんですか!?」


思わずそう叫んでしまった。

だってこのニュースレター、全部で二百件分以上あるのよ?

先月は総動員で手分けしてやったのに、今回は私一人でやれと!?


驚愕する私に、振り向いた柊さんはナイフのように鋭い眼差しを突き刺す。


「甘ったれんな」


こ、怖っ!

縮み上がる、チキンな私の心臓。


「皆それぞれ忙しいんだ。誰かに頼ろうとしないで、自分一人で何とかするくらいの気持ちでやれ」

「っ、すみません……」


口では謝りつつも、心の中では鬼ー!と泣き叫ぶ。


「とりあえず瀬川さんと絵梨子さんは、途中打ち合わせで抜けるだろうが、手が空いてる時は手伝ってくれるってよ」

「わかりました……」


しおしおと頷くと、柊さんはほんの少し楽しげな笑みを口元にだけ浮かべ、こう言い捨てていった。


「お前はトイレ以外、今日一日ここから出るな」


やっぱ鬼~~!!


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