裏腹な彼との恋愛設計図
さっきの私の考えは間違ってたのかしら。

優しい柊さんを期待した自分に少々落胆しつつ、すでに靴を履き替えている彼のもとに走り寄る。

その時、足元をよく見ていなかったおかげで、床に置かれた段ボール箱に思いっきりつまづいてしまった。


「ぅひゃぁ!!」


そのままよろけて柊さんのもとへ。

がしっ!と彼の腕に掴まってギリギリセーフ。なんとか転ばずに済んだ……って!


「わぁーごめんなさい!」


ばっと勢い良く飛びのくと、玄関の明かりの下で柊さんの迷惑そうな顔が照らされている。

怒られる!?と身構えた次の瞬間、彼は顔の筋肉を緩めてふっと吹き出した。


あ──笑った。

初めて見た無防備な表情に、何故かトクンと胸が鳴る。

でもそれは一瞬で、すぐにいつもの無愛想に戻ると。


「……ドジ」


と、罵った。


……あれ、今馬鹿にされたのにキュンってしなかった?

私の胸キュンポイントってそこ? やっぱり私、完全にM……


「って、ちょっと柊さん!?」


少し考えていた隙に、彼はすでに外へ出ていってしまったらしく姿はなかった。

数秒も待っててはくれない柊さん……やっぱり意地悪だ!




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