裏腹な彼との恋愛設計図
たしかにそうなんだけど!

少しは“手伝おうか”とか、そこまでじゃなくても“気をつけて”とか、心優しい言葉を掛けてくれてもいいものを……。

内心不満を垂れ流していると、私を振り返った柊さんは「それに」と言葉を繋げる。


「好きだろ? 放置プレイ」


ほんのわずかに上がった口角は、私をからかって楽しんでいることが明らかで。

意地悪な彼に、またドキンと反応してしまう私の心臓。


「~~~っ、柊さん!」

「じゃ、お疲れ」


私とは正反対に涼しげな顔で、ひらりと片手を上げた彼はさっさと玄関の外へ出ていってしまった。

なんかもう、いろんな意味で疲れる……。


ドキドキと軽く乱れたココロを持て余しつつ、私は一つ息を吐き出して自分のデスクへ向かう。

どかっと腰を下ろすと、別人のような笑顔の彼をつんつんと人差し指でつついた。


いつか見てみたいな──プライベートで、この笑顔を。

私にはウルトラG難度くらい難しいだろうけど。

ってそんなことより、これを書き直さなきゃ。


「……しょうがない、古賀さんにするか!」


少々失礼なことを言いながら、私は再びパソコンを立ち上げるのだった。




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