「沙帆ちゃん、昨日はお疲れ!」


翌日、早々にバレた。

ぎゃー、やめてーと心の中で叫ぶも、三木さんに伝わるべくもない。



午前中、秘書課執務室にて。

透明な窓ガラスの向こうに、三木さんが上司の方とともに、社長への案件説明に上がっていったところを、私は目撃した。

それから数十分後、社長室から二人は出てきて、上司さんはおそらく先にエレベーターの方に向かったのだと思う。

三木さんはというと、執務室のドアをノックし、入室。


私が軽く会釈をすると、三木さんもニカッと笑う。

そしてそのときは私の前は素通りし、広本さんに何やらクリアファイルに入った書類を渡していた。

二言三言のやり取りを終え、三木さんは退出。


かと思いきや、一番ドア寄りの席にいる私の近くで立ち止まり、よく通る声でやらかしてくれたということだ。


執務室中に響いた。

静かな空間だから。

課長のお耳にもバッチリ届いたと、断言しよう。

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