翌週の隠れタバコの見張り時。

平素の飄々とした態度は、矢島課長とはまるでタイプが異なるけれども、何も読ませてくれないという点では、どっこいどっこいの勝負。

何かを握っているはずの本庄課長は、自分のペースで話を進め、会話の主導権を私に譲ることはしない。


「最近、小林さんから面白い話を聞きました。沢渡さんは、経営戦略の三木に口説かれたらしいですね」

「いえ、単にお食事を……」

「あっそうですか。小林さんがとにかく沢渡さんに悪い虫がつかないようにと、三木のために合コンをセッティングしてやれと、僕にガンガン頼んでくるんですよ。あー、困りました」


人事部の採用課と人事課を合わせて十年近くご在籍で、社内の人脈が豊富に違いあるまい本庄課長は、探るような目を向けてきた。

私に、合コンの可否を問いたいのか。

三木さんをキープしとけ。という矢島課長の不快なアドバイスが脳裏をよぎる。


「ほ、本庄課長のご判断に、お任せします……」

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