六月三日、秘書課勤務初日の朝。

再び、役員室フロアの雰囲気に圧倒されつつ、秘書課執務室に入室。

すぐに矢島課長が近寄ってきて、「リラックス、リラックス」と、爽やかな笑みを見せてくれた。


お会いするのはおよそ一か月ぶりだけど、間近でそんな顔をされたら、心臓がもたない。

――改めて見ると、かっこよすぎです。

田中課長と足して二で割ってください。


朝一番の秘書課内のミーティングで、拙すぎる自己紹介をした。


秘書課は、男性が矢島課長一人で、あとは女性社員が十人。

プラス、派遣の私。

女性陣を見回して、色々と驚きがあった。


若そうな人がいない。

ひょっとしたら、私が一番若いかもしれないくらい。

女性の見た目は分かりにくいけども、たぶん三十代、四十代の人ばかりだ。

左手薬指に指輪を嵌めた、既婚者と思しき女性が半数。


ちなみに。

そういえば、と思って、矢島課長の左手を盗み見ると、そこに指輪はなかった。


――それがどうした。

自分で自分に突っ込んでみる。

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