旬魚のお造り、ほかほか湯気の立つ炊き込みご飯、デザートのあんみつ。

そういえば、串揚げの盛り合わせもあったっけ。

以上、昨日の課長との二人きりの時間で、私が鮮明に覚えていること。


食べ物ばかりとは、どれだけ食い意地が張っているのだろう。

色気ゼロ。


面接のときと同様、会話なんて、うすぼんやりとした記憶しかない。

秘書課のお姉さま方のお話が出たんだっけ。

食事中は、色っぽい方向の話はなかったよね。

あ、休日は何をしているのって聞かれたのは、彼氏の有無を探る意図があったかも。


……自意識過剰。……ではないんだよね、たぶん。


とにかく、朝のラッシュの電車の中で人ごみにもまれながら、私はどういう顔で課長と接すればいいのか、非常に困り切っていた。

実はからかわれているのではないかと、一瞬不安にも陥る。

けれどすぐさま、私にお会計伝票を一切見せず、さっさと支払いを済ませた態度を思い起こしては、ありえないと否定。

からかうにしては、お金使いすぎだよね。

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