White Magic ~俺様ドクターの魔法~
Magic6 詐欺師




「ありがとうございました」


家の前に着いて、車を降りようと来た時、玄関から出てきた人物の表情に驚いた。


「お、お父さん?」


寒いのに外に出てきた父の顔は、険しかった。


私の声に佐々木先生も驚いたようで

「えっ?お父さん?」

と声を上げ、助手席側の窓を私の背後から伺っているようだった。



「俺、降りるわ」


「いいです。女友達に送ってもらったって言いますし・・・」


「いやいや、女の子がこの車には乗らないでしょ」


「あっ・・・・・・」



この車・・・・・・走り屋風の車だった。


そんなことを考えている間に、佐々木先生は運転席側のドアを開けていた。



「ちょっ、ちょっと待ってください」


私は慌ててドアを開け、外に出た。


暖房に馴れていた体だったが、あまりにも気が動転していて、外の寒さを感じなかった。



「お、お父さん、どうしたの?」


「睦美、連絡もしないでどこに行ってた!」


目の前の父は、普段では考えられないくらいイライラしている様子だった。


そして、佐々木先生の言葉は、父のイライラを増大させるのに十分だった。


「お父さん、申し訳ありません。僕が悪いんです」


うわっ・・・頭下げて謝ってるし・・・。



「ちょっと、頭上げ・・・・・・」


「君にお父さんなんて言われる筋合いはない!」


私の言葉を飲み込むように、父はドラマのような言葉を言い放った。



・・・・・・お父さんが怒っている。


遅くなるときは連絡はするけど・・・心配してくれていたのはわかるけど・・・今の状況は何か違う・・・。



一触即発の雰囲気の中、爆弾を落とす人物がやって来た。


「あら、にぎやかね~。睦美おかえり~。あら、彼氏?」



あっちゃ~。母の登場は、そんな言葉がぴったりだった。


この母親、空気読めてないし。



「お父さん、寒いから入ったら?睦美も彼氏さんもね」


・・・・・・まただ。



母は、再び爆弾を落とした。


母の爆弾を受け、「早く入りなさい」と私達を見ないで言うと家に入った。



「もう・・・・」


「もう帰っていいですよ」と言おうと思ったのに、佐々木先生は、「おじゃまします」と玄関の方へ向かっていた。



えっ、まじですか!



私は、この先の修羅場が怖かった。



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