幸せにする刺客、幸せになる資格
★エピローグ~side NORI~
12月。
この時期は加工品の発送作業に追われる。

冬休みに入り、大和や琴乃ちゃんも手伝ってくれて、ラベル貼りだけはカズも手伝ってくれるようになった。

ここでこんな作業をすると言うことは・・・4月末に父さんが来て提案された安西フーズとの加工品の提携については、見送った。

採算が合わないというのもあったけど、丹精込めて育てたりんごの良さが消えてしまう気がしてならなかったから。
やっぱり僕たちの目が届くところで作業はするべきだと考えたんだ。

『亜香里さん、大丈夫なの?こんな重い段ボール運んじゃって』

琴乃ちゃんが亜香里を心配する理由は・・・
亜香里が妊娠初期だから。

亜香里が誕生日プレゼントとして"ユウに弟か妹が欲しい"と言ってきたので、その希望に沿ってあげたら、コウノトリさんがその後運んできてくれたんだ。

『繰り返すようだけど、仲がいいにも程があるよ』

大和は呆れているけど、もしかしたら琴乃ちゃんの興味がユウから生まれて来る子供に変わるかもしれないと密かにバカな期待をしている。
だから、大和が望むのは、女の子。

でも亜香里は琴乃ちゃんが来てくれてから助かっているらしい。
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