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《……ありがとう、伊瀬くん……》



あのときから ずっと


俺の中で 彼女だけが特別だった。








……ああ、疲れた。

凝った右肩を左手で揉みながら、自然とため息が漏れる。

やっぱり俺、メガネの方が合ってんのかな。コンタクトにしてから、肩こりひどくなった気がする。

オフィスを抜けて向かうのは、この階にある自販機だ。俺が好きな、紙コップで出てくるタイプのミル挽きコーヒーのが置いてあるから、いつも利用している。


あと数メートルでたどり着くというところで、ふと視線を上げると。

見知った人物の姿に気付き、目を瞬かせた。



「……木下さん?」

「っあ、伊瀬さん……! お疲れさま、です」

「うん、お疲れ」



自販機横のベンチに座ってぼんやりしていたのは、先ほどオフィスを出たはずの木下さんだった。

きっと、帰宅前にひと息入れていこうと思ったのだろう。その手の中には、カフェオレのようなものが入った紙コップが握られている。