新撰組異聞―鼻血ラプソディ
2章/助けください

1話 君!? しっかりして

「君、しっかりして」


気持ちよく寝てんのに、だれ!?
起こさんといて


「君、何故こんな往来で寝てるの? 起きて」


体を激しく揺さぶられ、パチリ目を開ける。

めっちゃ綺麗な顔が目の前にある。


えっ!!
えーーーっ!!


心臓がドクンっ
音がしたかと思うほど、激しく跳ねる。


「UWAAAAaaaーーーっ、ち近い。近づくな」


思わず叫びながら、後ずさる俺。



「気がついた? 大丈夫? 何処も怪我はしてないみたいだけど……」



後ずさる俺を目の前の綺麗な顔した女性が、心配顔で見つめている。


さらしを巻いた胸から谷間が微かに見える。


着物に袴姿の女性。
腰には鞘に収まった脇差刀、長刀?。

――女剣士!?


「何故、こんなところに寝ていたのかしら? 答えなさい」


キッと眉を上げ、俺の腕を掴む。



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