恋愛事案は内密に
苦い報告、辛い連絡、甘い相談。
不安で胸がおしつぶされそうになる。
ただ時間が通り過ぎていくように感じる。
週末、部屋の模様替えをしても、掃除をしても、洋服屋さんや雑貨屋さんでウィンドウショッピングしていても、体の空気がどんどん抜けていくような気持ちになっていく。
どういう顔をして月曜日、仕事をすればいいのだろうか。
起きていたのか、寝ていたのかよくわからないまま、スマホの目覚ましアラームは鳴り、しぶしぶ支度をする。
冴えない顔にメイクをほどこしても、どこか中途ハンパで制服を着ていても、どこか着せられたように似合わない自分がいた。
「おはようございます」
ぎこちない腑抜けな挨拶は他人を不安にさせる。
高清水さんも北野さんも私の顔を見るなり不審な顔をした。
きっと所長は金曜日の一件を話したのだろう。
もうこの会社にはいられない。
「むつみちゃん、ちょっと」
北野さんが眉毛をハの字にさせ、事務室から給湯室へ誘った。
「むつみちゃん、どうかした?」
「え……あ……」
「顔色悪いんだけど」
「私、金曜日に」
「もういいから」
北野さんはきっぱりとした声で返した。
「忘れ物、取りに帰ってきただけでしょ。五十嵐くんから報告もらってるから」
「でも」
ただ時間が通り過ぎていくように感じる。
週末、部屋の模様替えをしても、掃除をしても、洋服屋さんや雑貨屋さんでウィンドウショッピングしていても、体の空気がどんどん抜けていくような気持ちになっていく。
どういう顔をして月曜日、仕事をすればいいのだろうか。
起きていたのか、寝ていたのかよくわからないまま、スマホの目覚ましアラームは鳴り、しぶしぶ支度をする。
冴えない顔にメイクをほどこしても、どこか中途ハンパで制服を着ていても、どこか着せられたように似合わない自分がいた。
「おはようございます」
ぎこちない腑抜けな挨拶は他人を不安にさせる。
高清水さんも北野さんも私の顔を見るなり不審な顔をした。
きっと所長は金曜日の一件を話したのだろう。
もうこの会社にはいられない。
「むつみちゃん、ちょっと」
北野さんが眉毛をハの字にさせ、事務室から給湯室へ誘った。
「むつみちゃん、どうかした?」
「え……あ……」
「顔色悪いんだけど」
「私、金曜日に」
「もういいから」
北野さんはきっぱりとした声で返した。
「忘れ物、取りに帰ってきただけでしょ。五十嵐くんから報告もらってるから」
「でも」