コイツ、俺の嫁だから。【おまけも完結】
。:*°今夜、一緒に寝よう

Side*那央



あれは忘れもしない、梅雨の中休みですっきりと晴れた7月2日のこと。

交番にいる時に縁から連絡を受けた俺は、逸る気持ちを抑え切れずに、あたふたしながらなんとか仕事を切り上げた。

いつ、どんな事件が起こったって、警察官たるもの常に冷静さを保っていなければいけない。それなのに、その時ばかりはいてもたってもいられなかった。


だって、子供が産まれるんだぜ?

俺と、大好きな縁との、何よりも大切な命が。

縁が命懸けで頑張っている時に、そばにいてやれないなんて苦痛以外の何物でもない。


心臓をバクバクさせながら車を走らせて向かったのは、高速でも一時間以上かかる俺達の地元。

そして、市内の総合病院に駆け込んだ。

縁のもとにたどり着くまで、ずっと俺の脳裏に過ぎっていたものは、よく見るテレビドラマでの『う、産まれる~~!!』と妊婦さんが叫んでいるシーン。

アイツもあんなに苦しんでいるのかと思うと、一分一秒でも早く会いたくて、看護師さんに注意されながら陣痛室まで走った。

……のだが。

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