きみの声を聞かせて



あれから、わたしはもう一度部屋に戻ったけど



次の日の夜にお父さんお母さんと三人で話をして、わたしは今の学校を退学することを決めた。



退学届を提出したと同時に転入試験の勉強も始まってわたしは新しい学校に入るためにひたすら勉強を頑張った。



そして、退学してから心療内科のある病院にも行った。



この声が出ない正体は失声症(しっせいしょう)だと診断された。



精神的なショックを受けた後や、強いストレスを感じた後に発症することを聞いて、お母さんがわたしの書いたルーズリーフを先生に見せると



「きっとこれだろうね。失声症はいつ治るか分からない病気だけれど、夏帆ちゃんなら大丈夫だよ!



一緒に頑張ろうね!」



とにこっと笑いながら励ましてくれて、わたしにまた頼れる人ができたって思った。



それからその月の月末、新しい学校に転入することが決まった。



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