きみの声を聞かせて




「俺……ずっと夏帆の声を聞きたかった……



ずっとずっと待ってた」



と言ってぎゅっとわたしを腕の中に閉じ込めると、翔矢くんはわたしに聞こえないくらいの小さな声でこう言った。








「……夏帆、好きだ」



初めてわたしのことを好きだと言ってくれたことに嬉しくて、



わたしは翔矢くんに負けないくらいぎゅっと彼を抱きしめたんだ――――。




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