きみの声を聞かせて




―ピピピ



軽快な音を立てる目覚まし時計が部屋中に鳴り響く。



カーテンから差し込む太陽の光。



外から鳥や虫の声が聞こえてくる。



わたしはこの夢から覚める瞬間が一番嫌い。



「はぁ……学校行きたくない」



そう言いながらも、お母さんやお父さんに心配かけたくなかったわたしは



ハンガーにかかっている制服に手を伸ばした。



そして一通り支度をして朝ごはんを食べると家を出た。



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