「明日のことなんだけど、キットも一緒に行くって返事しておいたから」

「え……ええっ?」


翌朝、侍女として早々と起き出したエリナは、ウィルフレッドに命じられた通り、まず最初にウェンディの部屋へ向かった。

いつもの侍女服を着て髪をひっつめ、ウェンディの部屋のドアを叩くと、思いのほかしっかりとした声が返ってきた。


朝の支度の手伝いをしに行ったのだが、ウェンディはご令嬢としては珍しく、大抵のことはひとりでも熟せるように教育されているらしい。

ドレスもきちんと着ていたし、軽くベッドメイクもしてあった。

髪を結っている途中だったので、それを手伝い、朝食の希望を聞いて、コックに報告に行ったあと、彼女の様子をウィルフレッドに伝えるべく書斎へやって来たのだが、逆に思わぬ事後報告を受けてしまった。


「で、でも、ヴェッカーズ伯爵は彼のこと……」

「まあ好きではないだろうね。でもキットはあれで一応王太子だし、断れないよ。俺もエリーをひとりで行かせるのはどうかと思ってたしね」


昨夜はウェンディをもてなすことに忙しそうに見えたウィルフレッドだが、やはり器用で抜かりのない男のようで、昨日の夜のうちに決定してランバートへの返事も出したと言うのだ。

もちろんキットとも話は付けてある。

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