それが起こったのは、その日の午後のことだった。

侍女の基本的な仕事は、主人の身の回りの世話をすることで、衣装や装束品の選択・管理や、ちょっとした買い物から、旅行や視察への同行なども含まれる。


エリナとアメリアは明後日の収穫祭に向けて主人の衣装選びと荷造りを進めていて、その傍らでエリナのドレス選びもした。

その場にはなぜかキットもいて、アメリアが襟の開いたドレスなど持ってこようものなら、彼がすぐさま却下する。

「好きなものを選べばいい」などと言いながら次から次へとダメ出しばかりするものだから、結局キットが決めるようなものだ。


ちなみに、先日の王宮舞踏会でのエリナのドレスはウィルフレッドの見立てであり、それを大絶賛で後押ししたのがアメリアである。


そうは言っても、襟ぐりの大きく開いたドレスは最近の流行の基本であって、突然女性用のドレスの用意を追加で命じられた仕立て屋が持って来たものも、例に漏れず露出の多いものばかりだった。

用意されたドレスを全て広げて吟味した結果、顔をしかめたキットの判断で、ビスチェタイプのすっきりしたドレスにシースルーの生地を付け足し、デコルテから手首までを覆い隠すことで収まった。

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