ウィルフレッド・ランス公爵は、この国の社交界で今いちばん人気の『理想の結婚相手』である。



王国の中でも豊穣で広大な土地をもち、財力も兵力も申し分ない公爵家。

それに加え、ウィルフレッドは見目麗しい好青年であった。



柔らかそうな巻き毛は濃い栗色で、深い優しげな目元の奥は女性を誘惑するアンバーの瞳。

筋肉質ではないが、か弱き乙女が力強く抱かれたいと夢見る硬い胸に、しっかりとした腕とは裏腹な綺麗な指先。

社交の場での紳士的な振る舞いと、相手を魅了してしまう少年のような笑顔。


その身分を抜きにしたとしても多くの結婚を望む女性が飛びつきたくなるような男で、現・王太子の従兄弟で公爵という地位まで加われば、それはそれは喉から手が出るほど最高級の結婚相手といえる。


大抵の女性が明日、突然政略結婚を強いられたとしても、喜んで頷くことだろう。



「つまり率直に言うと、お前に頼みがあるんだ、ウィル」


国王であるギデオンはウィルフレッドを私室に招き入れ、バルコニーの側にあるいちばん日当たりのいいソファに座らせて言った。

この作品のキーワード
ファンタジー  王子様  公爵  恋愛  あまあま  キス  トリップ  溺愛 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。