降り注ぐのは、君への手紙


「もっと聞かせて」


“なあ、宮子。
きっと追いつくから”


「お願い。もっと」


“待ってて”


やがて風は収まり、渦を巻いていた銀杏の葉は、力なく地面へ落ちる。
カサリカサリと積み重なり、一段と厚くなった黄色の絨毯は公園を美しく彩る。


「……那美子さん」

「変でしょ。おじいさんが好きだなんて」

「ううん」


成美は那美子の背中をさする。


「恋に、おかしなことなんてないわ」


視線を落とした成美の手も、小刻みに震えている。


「にゃーん」


猫が、場違いに明るい声で一言鳴いた。









そこで、画像は揺らめいて消えた。


「宮子が、……泣いておる」


じーさんは放心したように呟く。

ヨミはじーさんの肩をたたき、背中を押した。


「お急ぎなさい。早く行けば間に合うかも知れません。閻魔様には特急でとお願いしておきます」

「わ、わしはどうすれば」

「望んだようにお進みなさい。急げば今の彼女の生に間に合います。それが運命なら、きっと出会えますよ」


じーさんは唇を噛みしめると、ヨタヨタした足取りで、それでも自分なりの懸命の速さで出て行った。

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