泣きたい夜には…~Hitomi~
私を信じて



色々なことがあった夏が終わり、季節は秋を迎えた。


スポーツの秋。


読書の秋。


何といっても、


食欲の秋!


「俺は性欲の秋かな」


慎吾はニヤリと笑い、私の腰に腕を回してくる。


「慎吾の場合、季節なんて関係ないでしょ?」


見た目は体育会系爽やか男子の慎吾だけど、


実際は「セックスはスポーツだ!」なんて言ってのけてしまう肉食男子だったりする。


「いいだろ?ひとみが好きなんだから。それに俺はお前にしか欲情しないんだよ」


真っ赤になって嬉しいことを言ってくれちゃって。


だから、


「慎吾、好きっ!」


勢いよく抱きついたらそのまま後ろに倒れ込み、


ガツン!


慎吾の後頭部を直撃……。


「痛ぇーーー!!!!」


頭を押さえる慎吾。


「ごめん!大丈夫!!!?」


「絶対こぶできた。もう仕事に行けない」


いや、その程度では行けないことはないと思うけれど……。



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