【完】キミと生きた証
放課後、仁菜ちゃんに背を押されて門で別れた。


薄く積もった雪の上。



赤いマフラーをして、いつもよりゆっくり駅へ向かった。


「はぁ・・・。」


やっぱり体力が落ちた。


こんなちょっとで息切れしてる。


でも大丈夫。


一旦休んでもう少し歩けばもう駅だから。



あたしには仁菜ちゃんお守りがふたつもついてる。


ようやく駅について、がらがらと扉を開ける。


真ん中のストーブの上には相変わらずお鍋が置いてあって、湯気が上がってる。


瞬はまだ来てない。



こぽこぽいってるお鍋の音でも聞いて、緊張をほぐそう。


あたしはいつもの左端に座って、瞬を待った。


ずっと恋愛のお守りを握りしめてた。



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