【完】キミと生きた証
どきどきして、たまらなくて。
・・・もっとドキドキしたいって言ったら怒るかな。
もしかして体に悪いかな。
でもね、そう思っちゃう。
瞬はそっぽむいてるけど、
あたしは瞬に、もっと近づきたくて。
瞬の肩を人差し指で、つんつんと突いた。
「・・・んだよ?」
だれでも一回くらい憧れたこと、あるよね。
あたしは真っ赤な頬の瞬を見つめた。
「あのね。・・・キス・・・してみたい・・・。」
ちっちゃな声、ちゃんと瞬に届いた。
瞬は目を見開いて、一瞬かたまった。
「・・・・。」
瞬はこっちを向きなおすと、あたしの方を見つめた。
目と目あって、
間に沈黙。
瞬の黒い髪がさらっと揺れて、
綺麗な目があたしにちかづく。
薄い唇、きゅっと閉じたまま。
・・・ちゅ。
瞬からされた、初めてのキス。
暖かい唇が一瞬当たって、すぐに離れた。
「・・・あーもう。・・・何だよお前。//」
「・・・あはっ。//」
瞬はそっぽ向いたまんま、なかなかこっちを見ない。
あたしは思わずこぼれる笑みをこらえて、どきどきを落ち着かせようと必死で。