【完】キミと生きた証
そりゃそうか。


この場面で、俺があいつに手だしたとしか思わねえよな。



どっちでもいいけど。



「瞬は怪我なかった?」


「ねえよ。あの扉にぶつかったから、音が派手だっただけ。」


「もしかして瞬が殴られたの?」


「殴られてもねえよ。」


「そっか。・・たぶんあたしのせいだよね?ごめん。」


「いいけど。あいつめんどくせえな。」



そう言うと、ちとせが俺の腕をぎゅっとつかんだ。




・・・やわ・。
ちがうか。



「ごめん!最初、瞬がなんかしたと思っちゃった!」


「別にいいよ。」


そんなことより、やわらか・・。


あー・・・。



そんなにくっつくな。



「あたしちゃんと言うから。」



俺の願いが通じたのか、ちとせの体が俺から離れた。


どかんどかんなってる心臓、どうしてくれんだよ。



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