【完】キミと生きた証
図書館に貼られた偏差値の表の前に立った。


「ちとせ・・文系ってことは、何学部に行くんだ?」


「うーん、まだ決めてないけど、教育学部いいよね。それか英文。」


「ふーん。」


教育学部と英文学部って、何になる人が行くんだ?


わかんねえけど、聞いたらひくだろうな。


俺まじで何にもわかってねえからなぁ・・・。



「瞬は、どこの大学に行くの?」


「地元の、ここか、ここ。」


「そっか。なら、引っ越さないね。」


「当たり前だろ。」


ちとせから離れるなんて本末転倒もいいところだ。


「ちとせ・・赤本って借りれるのか?」


「借りれるよ。借りる?」


「うん。借りてほしい。」



小さくて分厚い赤本を手に取った。


背表紙の大学名は、文字だけのくせにいかつい。



「がんばろっか。」


「おう。」



< 229 / 478 >

この作品をシェア

pagetop