【完】キミと生きた証
保健室に戻って、勉強を始めた。


ちとせはそんな俺の隣で好きな本を開いて、


たまに俺に勉強を教えてくれる。


赤本をぺらぺらめくって「難しい」とか呟いてる。


「そういえば・・あたし文系に進んじゃったから、3Cはわからない・・・。」


「サンシー?なんだそれ?」


「数学。数3Cってのが理系ならいるけど・・あたしは取らないんだ。文系だから。」


「へぇ。それって難しいのか?」


「・・・吐き気がするわよ。あの教科だけは・・。」


真由がぼそりと呟いた。



そういえば真由は保健医だ。



「真由は”サンシー”とってたのか?」


「あったりまえじゃない。」


「教えろ。」


「嫌です。」


「教えてください。」


「しょうがないわねぇ・・・。今度参考書持ってきてあげるわよ。わかんないとこだけ教えてあげる。」


「さんきゅ。」



特進科の授業にサンシーがあるのか知らねえけど、多分・・・授業なんてほとんど意味ねえ。



よかった、真由がいて。ラッキーだ。


ちとせは安心した俺を見て、くすっと笑った。





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