【完】キミと生きた証

甘い味



Side 霧沢ちとせ

***



もう10月になった。


窓をあけると冷たい風が入ってきて、秋の気配。



「ちーちゃん、これ。持ってきたよ!」



今日は仁奈ちゃんが来てくれた。


遠いのに電車とバスとタクシー使って・・・。



手渡されたのはこの前の「模試」の一式。



「ありがと・・仁奈ちゃん!」


「へへー!あと、これも!」


「なにそれ?」


「新色のリップだよ。仁奈とおそろい!」


「わぁー・・嬉しい・・!いいの?」


「つけてみてー!」



仁奈ちゃんがくれた淡いピンクのリップ。


いい匂いがする・・。


「どうかなぁ?」


「めっちゃ可愛い!さすが仁奈、センスあるわー!」


鏡で見てみたら、一気に血色がよくみえる。


思わず口角があがった。


「嬉しい・・仁奈ちゃん、ありがとう」



本当は抱きつきたいくらい嬉しいんだけど、


最近長く喋るのでさえしんどいんだ。



「これで瞬くんもめろめろだねー♡」


「あはっ。だといいなぁ」





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