【完】キミと生きた証
お見舞いの最中にあたしが寝ちゃうと、瞬は必ず、枕元に手紙を置いてくれるの。


今日もあった。


小さな紙切れが二つ折りにされて、ちょこんと隣に置いてある。


===

甘いの
また分けろ。
オダイジニ

===


分けてって。

ふふっ。


久しぶりのキスだった。


・・・また、したいな。



「あら?起きたの?」


「うん。」


「今日ね、瞬君の手紙、これに入れたらいいかと思って買ってきたのよ。」


はがきサイズのクリアファイル。


「かさばらないしいいでしょ。いつでも持ってけるよ。」


お母さんがにやりと笑う。


「もう・・。でも、ありがと。」



小さなファイルに全部入れた。


あたしの宝物。




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