【完】キミと生きた証

自己を抑えよ(Side瞬)



Side瞬

***


ちとせが退院してからというもの、会う場所は主にちとせの部屋。


疲れやすいみたいだけど、比較的調子いい様子のちとせ。


そんなあいつがここんとこしょっちゅう俺にひっつく。


甘えてこられると・・・。


「ちょい・・一旦離れろ。」


「えぇ。」


って拗ねる。

それすら可愛いけど、俺はまじで、手出したくなって・・・でもだせねえし。




頭の中でいろんなつまんねえこと考えまくって、考えまくって、無の境地に至ったと思えばちとせが甘えてくる。



「瞬、もうすぐ球技大会だねー?」


「あぁ。」


「練習してるの?」


テレビを見ながら首をかしげて、俺の腕をつかむだろ?



可愛すぎ。


・・・でこぴんしてみた。



「・・いて。何ー?」



チビ必殺の上目遣い。



ぎゅっと俺の腕、抱きしめる。



・・・やわらか、って・・・あーもう・・・。



「・・・ちょい離れろ。」


「えぇ?また?くっつかれるの嫌い?」



んなわけねえけど、俺の理性がもたねえんだよ!!


・・なんて、言えるわけねえ。



「いや・・ちげえけど。暑い。」



とか適当言ってごまかす。



この繰り返しだ。



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