【完】キミと生きた証

北工のバスケ



Side 霧沢ちとせ


***


2月半ば前、あたしはちょくちょく学校に通えるようになってきた。



今日は瞬の通う北工業高校の球技大会の日。



半日だけあった学校を終えて、仁奈ちゃんと一緒に北工の校舎へと初めて入った。



校舎が・・・きたない・・・。


ひび割れた白塗りの壁には落書きを消したような跡。


雨で流れた錆びの跡が、白い壁に伝って茶色く濁ってる。



一歩踏み出して立ち止まり、仁奈ちゃんと2人で唖然として見上げた。




「・・・行こうか。」

「うん・・。」


仁奈ちゃんとまた一歩、歩き始めた。



・・・今がお昼でよかった。


お化け屋敷みたい・・。





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