【完】キミと生きた証
「・・・はぁ・・っ。」



怖い。


なんで?


なんで血が?


心臓がおかしいの?



こんなこと今までなかった。



怖い・・怖いよ・・。



目の前が涙でにじんでいく。



震えながらうずくまってると、瞬の声が聞こえてきた。



「ちとせー?」



あたしは震える指先で涙を拭って、瞬のもとへ戻った。




「どうした?」



瞬が優しい顔して、あたしを覗き込む。



どうしよう・・どうしよう。


だって、血、吐いた・・今。



ぶわっと涙があふれた。



「しゅ、瞬・・。あたし・・血、吐いちゃった・・っ」



「血・・?」



瞬が一気に真顔になった。



「血・・心臓に関係・・あるのかなぁ・・?」


「大丈夫だから。落ち着け。な?」



動揺しながら泣いてるあたしの息を整えさせようって、瞬はあたしを座らせた。



瞬の指先が冷たい。




「迎え呼ぶ。病院もついてくから。」



「・・・うん・・ふぇっ。」



怖い。



全然・・死にたくなんかない。





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