【完】キミと生きた証

消えない気持ち




――――・・・。



6年の大学を出て、国試にも受かった。



そうしてる間にも、ちとせから連絡なんて一度も来なかった。



あの日のまま、進めていないといえば、そうだと思う。
ちとせが俺の中から消えることなんか、今まで一度もなかった。



実習先が東京だった兼ね合いもあって、今は東京の大きな大学病院で研修医として働いてる。



毎日を病院で過ごすんだ。人の死が身近にあると、たまに狂いそうになる。



自分の無力さを嘆いて、もっと何かできることを増やしたくなって・・・。




もう秋も終わりが近づく。



今日は朝から白衣ではなくスーツを着て、電車に乗った。






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