【完】キミと生きた証
「仁奈、高校卒業した日・・・瞬くんに告白、しちゃった。」



「へぇー。・・・えぇ!?」




す、好きだ、ったってこと?


瞬のことを・・?仁奈ちゃんが!?


いつから!?


つ・・・付き合ったのかな・・・?


頭の中はハテナだらけ。目が回るほどの大混乱。




「混乱させてごめん!でもすぐ”嘘”って言ったから、何もなかったよ。瞬くんも、ちーちゃん以外の誰のことも見てなかった。仁奈も含め、どの女の子も眼中になかったの。」



「そ、そっか・・そうだったんだ。」



「でも・・・ちーちゃんのことを好きな瞬くんを好きって思っちゃったのはホント。だから、懺悔。最低な親友で・・・ごめん。」



「今は・・?瞬のこと、好き?」


「全然!一馬くん一筋だよ!」



「よかったぁ・・。ライバル同士になっちゃうのかと思った・・・。」


「そんなの、ちーちゃんには天地がひっくり返っても勝てませんよ!」



仁奈ちゃんがにっと笑う。




「瞬くんはちーちゃんと離れた7年間・・・毎日ちーちゃんのこと考えてたよ。まるで今でも一緒にいるみたいに、何度も思い出に浸って。現実に戻って溜息ついては”会いたい”って呟いてた。」



「・・・そうだったんだ。おかしいなぁ・・。魔法、かけたはずだったんだけどなぁ。」


「魔法・・?」


「瞬が・・ちゃんと前に進める魔法。」



「あははっ。それね、たぶん全然効果なかったよ!」



「えぇー・・。」






・・・悪いこといっぱいいっぱいしちゃった。


けど、毎日、


まるで一緒にいるみたいに、思い出を繰り返したのはあたしも同じ。




長かった入院生活の中で、何度もうダメだと思ったかわからない。



だけど長くて辛い生活の中で、あたしの中には小さな光があった。



痛くて苦しくて心が折れそうになった日々も、瞬との思い出が、あたしの心を慰めてくれた。



そのたびに生きようと、強く願えた。





< 463 / 478 >

この作品をシェア

pagetop