【完】キミと生きた証
ベッドにもぐりこんだ頃、携帯が震えた。


――――


風邪なおったか?

あと、瞬でいい。


――――



シンプルな二行。

瞬って呼んだらいいの?


恋愛脳のないあたしは駆け引きなんか知らないから、すぐに返事した。




――――

風邪じゃないけど、治ったよ!

了解です。瞬って呼ぶね。

――――



数分後、また携帯が震えた。

真っ暗な部屋にスマホの光がともる。



今度は早い。ふふっ。


にやける口元こらえて、メール読んだ。


――――

明日は駅で

――――




明日は駅で・・・?


駅で、何?


駅に行けばいいのかな?


――――

待ち合わせ?

――――


送信するとすぐに返事が来た。



――――

そう。

――――




短いメールでも、瞬の姿が見えるようだった。


金色の髪に、やんちゃそうな見た目。


口数は少なくて、不機嫌そうで、なのに、優しくて可愛いとこがある。



シンプルなメールを何度も読み返した。


どきどきして、ちょっと疲れちゃった。



目を閉じて朝を待つ。


明日が楽しみだから。




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