【完】キミと生きた証

隅っこで




Side 霧沢ちとせ


***


今日も瞬と待ち合わせをした。


「ちーちゃん、最近やけに楽しそうだね?」


「へへ、そっかなぁ。」


「もうすぐテストだぞー?瞬君に浮かれてる場合じゃないよー?」


頬にえくぼ。いたずらっこのような笑みを浮かべる仁奈ちゃん。


「大丈夫!単語帳作ったもん。」


「また可愛いのつくったねー!」


「色で覚えるんだよ仁奈ちゃん!」


「いつもそれ言うけど、仁奈そんなに器用じゃないから真似できないよ!」


あたしの単語帳はカラフルにできてる。


いろんな色と絵をおりまぜて、イメージで思い出すの。



「瞬君とどんな話したの?」


「学校のこととか、あと病気のこと言った。」


「なんだって?」


「へぇって感じで聞いてたよ!治るのか?って。」


「そうなんだ。なんて答えたの?」


そう聞く仁奈ちゃんを、笑ってごまかした。


治るの?って仁奈ちゃんも聞きたいんだと思うけど。



ごめん、多分、治らない。






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