【完】キミと生きた証
待合の中。
いつもの端っこに座ってると、瞬が来た。
途端にドキドキ高鳴る胸。
まだ慣れないこの瞬間、すごく好き。
「遅れてわりぃ。・・・化粧してる?」
「うん。してもらった。えへへ。」
「ふぅん・・・。」
頬を赤く染めて、そっぽむいちゃう瞬。
金色の髪に雪がかかってる。
「あれ?雪降った?」
「若干な。行ける?」
「うん!」
あたしたちは駅を出て、ちらり、ちらりと振る雪の中を歩いた。
「心臓病って歩くのしんどいんだろ。」
「ゆっくりなら普通に歩けるよ。早いとちょっときついけど・・・。」
「そ。こんくらいならいいか?」
それはあたしのペースよりかなりゆっくりで、大袈裟なほど。
「あはっ。もう少し早くても大丈夫!」
「そうなのか。時速何メートルで歩けとか書いとけよな、ネットの癖に。」
・・・ネット?
あぁ、もしかして、心臓病について調べてくれたのかな。