【完】キミと生きた証
「ホワイトクリスマスだね。」


「そうだな。」



沈黙に、となりを歩く少し空いた距離。


もしこの距離がもう少し近かったら、沈黙すらきっと意味のあるものになるのに。



「寒くねえか?」


「大丈夫だよ。」


「・・・いつものマフラーは?」


「忘れてきちゃった。」



「・・・。今、まだ5時か。ちょっとここで待ってろ。」



あたしを商店街の本屋さんに入れると、瞬は走ってどこかにいっちゃった。



本屋さんのガラスに写るあたしは、いつもより血色がよさそう。



化粧をしてくれたミキちゃんに大感謝していると、息を切らせた瞬が戻ってきた。






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