恋をしようよ、愛し合おうぜ!
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「あの・・・私、ホント、久しぶりで・・・。別居した数か月前からしてないから、もう1年以上してなくて・・・」
「ふーん。俺、それ以上にしてねえよ」
「・・・・・・え?うそっ!」
「嘘じゃねえよ。元嫁とは離婚する半年以上前からしてなかったから、あいつが妊娠したとき、俺の子じゃねえとすぐ断言できたわけだ」
「あ・・・ああぁ、なるほど・・・」

なんて、私は妙なところで納得してしまった。

「で、家庭内別居状態でも、一応結婚してたから、他の女に言い寄られても相手にしなかったしよ。晴れて独身になったときは、ひたすら仕事に打ち込んでたし」と野田さんはブツブツ言いながら、クルッと私の方にふり向いた。

私は「あ」と言ったまま、口を開いて野田さんの全裸姿に見惚れ・・・そして、ビンといきり立っている野田さんのところで視線が止まってしまった。

「なんだよ」
「う・・・と、ホント、準備、できてるね」

興奮のあまり、私はつっかえながらそう言うと、ゴクンと唾を飲み込んだ。
野田さんがここまでダイレクトに私を求めてくれてると思うと、すごく嬉しくて、逆に緊張はどこかへ行ってしまった。

私がタイツをいそいそと脱いだとき、部屋の電気が消えた。
途端に室内は薄暗くなったけど、野田さんの気配は、ますます私に近づいてきて・・・私が着ているスリップに手をかけた。

「・・・赤か」と野田さんはつぶやくと、少しずつスリップを上げていく。
ベッドに腰掛けている私は、「ブーツとコートとお揃いなの」と言いながら、野田さんが脱がせやすいよう、少しおしりを浮かせた後、両手をバンザイした。

野田さんの野性味溢れる誘いに、私の興奮度がさらに増していく。
スリップをその辺に放った野田さんが、「それだけじゃねえな」とつぶやいた。

「下着もお揃いの赤にしたの。この色、興奮するでしょ」
「おまえがつけてるもんなら、どの色でも興奮する。あぁそれから俺、ソープには一度も行ったことねえよ。“会員”ってやつらも呼び出したこともねえし。てか何の“会員”か全然分かんねーから、呼び出し方とか番号とか知らねえし」

と野田さんは言いながら、私の背中に手を回し、器用にブラのホックを外した。
野田さんが放った赤いブラが宙に舞うのを少しだけ視線で追いかけながら、「あ・・・そぅ」とつぶやいたとき、ブラが床に落ちた音がした。

「もしかしておまえ、酔っ払って俺に電話かけてきたとき、“私とできないからってソープ行かないでー!”とか“会員呼んじゃダメッ!”って叫んだこと、覚えてねえのか!?」
「え!いや、覚えてるよ?」
「おまえが語尾上げて言うときは、めちゃ怪しいと決まってる」
「う」
「なっちゃんよ」
「は!い?」
「おまえ、何回俺んとこに電話かけたか覚えてんのか」
「うーんっと・・・4回までは覚えているんだけど・・・」
「8回だよ、8回!」
「ええっ!?そんなに?いやぁ、飲み過ぎて途中から記憶なくしちゃってー。あんなに飲んだの人生初だったし。へへっ・・・ごめんなさい」

と、最後私はシュンとして謝ると、野田さんがゲラゲラ笑った。

「おま・・おもしろすぎ」とウケながら、私のパンツを脱がせた野田さんも、かなりおもしろいっていうか、ちゃっかりしてるっていうか・・・。
私だって手助けするように、野田さんの肩に手を置いて、おしり浮かせてるんだから・・・。

結局エロいんだよね、お互い。

なんて思っていたら、野田さんからベッドに押し倒された。
私の上にいる野田さんと私の視線が絡み合うと、ごく自然に私たちは微笑みを交わしていた。

「なっちゃん。今から愛し合おうぜ」
「・・・うん」

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